日航123便の「スコーク77」

 

事故調による日航123便のボイスレコーダーには爆発音の7秒後に高濱機長が「スコーク77」をコールしている。
飛行機の通信において、”スコーク 77″ と “エマージェンシー” は異なるコンセプトです。エマージェンシーは航空機が緊急事態に遭遇していること自体を示す用語です。

「スコーク77」は航空機のトランスポンダ(Transponder)が特定のモードに設定された際に使用されるコードで、スコーク 7700 はエマージェンシーコードとして知られており、航空管制と他の航空機に対して、その航空機が緊急事態にあることを通知するために使用されます。例えば、エンジントラブル、医療緊急事態、機内の火災、テロリズムの脅威などの緊急状況が発生した場合に、パイロットはトランスポンダをスコーク 7700 に設定します。

その「スコーク77」の発信頻度は世界規模で見れば毎日とは言いませんが週に何回か通知があるようで特段珍しいことではありません。必ずしも、民間機が攻撃対象になったという特別なコールでもない。そのような状況も含まれるコールで、緊急事態の状況が確認され、安全であれば解除される。

状況としては「スコーク77」=「エマージェンシー」でしょう。

1970年(昭和45年)よど号ハイジャックでは「エマージェンシー」コールで航空自衛隊の小松基地、築城(ついき)基地、新田原(にいたばる)基地からF-86F戦闘機が次々とスクランブル発進し、「よど号」を追尾した。

前例として、明確に確認できる民間機へのスクランブル発進です。
民間機の緊急事態に対処するのは、一般に航空機の運航会社や航空交通管制などの関連機関の責任です。自衛隊の行動は日本の法律に則り、政府の指示に従います。よって「スコーク77」=スクランブル発進ではありません。

ボイスレコーダー
18時27分00秒
01秒
27分02秒 (ACC) JAPAN AIR 123
03秒     confirm you are
04秒     declare emergency 

05秒     that’s right?
06秒 (PRA) ・・・
07秒 (CAP) That’s affirmative.
08秒
09秒 (ACC) 123 roger.

18時28分
31秒 (ACC) JAPAN AIR 124,
32秒     fly heading 090
33秒     radar vector to
34秒  OSHIMA.
35秒 (CAP) But now
36秒     uncontrol.
37秒
38秒
39秒 (ACC) Uncontrol
40秒     roger understood. 

少なくてもこの時点で操縦不能なので自衛隊のスクランブル発進を検討すべきだった。

参考サイト
https://slownews.com/n/ndd93b4e5645f

38年後の今、証言したのは「デマを正したいから」
証言したのは、空自峯岡山分屯基地(千葉県、通称「峯岡山レーダーサイト」)で、当時、第44警戒群に所属し1等空尉だった吉田勝氏(84)だ。

事故直後に航空専門誌のインタビューに答えたことはあったが、エスコートスクランブルやレーダーサイト内部での対応について、詳細をメディアに語ったことはない。

「本当はしゃべりたくない。だが、自衛隊の事故への対応でネットや一部の書籍でデマが広がっていて、正したい思いがあった」

事故当日、自衛隊のレーダーサイトで当直指令官をしていた吉田勝氏
吉田氏は事故が起きた8月12日に、峯岡山レーダーサイトで20数人の隊員の指揮を執っていた。当直についたのは午後5時。平時と変わらない、いつもの夕方だった。この後、部隊は自衛隊で最初に日航機の異変を察知することになる。

克明な証言をもとに、知られざる当時の様子を明らかにしていこう。

自衛隊のレーダーサイトで、当日何が起きていたのか
異変に気付いたのは、午後6時26分だった。

「エマージェンシー、スコーク77(セブンセブン)!」

関東上空の航空機の飛行状況をモニター画面で監視していた部下の1人が、そう叫んだ。スコーク77は正式には「7700」。航空機に緊急事態が発生した時に管制に発信する世界共通の緊急信号だ。

レーダーサイトの室内は騒然。レーダーの黄色がかったモニター画面で、米粒のような日航機は四角く囲まれて表示された。

すぐに、空路を管制する運輸省東京航空交通管制部(ACC)に、事故機がどこの航空機なのか問い合わせた。そして、ACCと事故機のパイロットとの間で交わされている無線の周波数に合わせて、通信内容を傍受した。

数分後、今度は傍受を担当していた部下から、「(パイロットが)アンコトロール(操縦不能)と言っています」との報告があった。自衛隊に入隊してから、初めて現場で聞いた言葉だった。

墜落――その二文字が、吉田氏の脳裏をよぎった。

「陸上に落ちたら大惨事になる。飛んでいる機体を見るしかない」

すぐさま、「エスコートスクランブル」をできないか考えたという。

民間機に対するエスコートスクランブルとなれば、全く別の話だ。上記で説明したように、前例がない。自衛隊法上の災害派遣の要請があればそれも可能だが、要請を待っていたら間に合わない。

「飛ばしましょう」
「救難ヘリでも出せませんか」

入間基地(埼玉県)にいる上官の当直幕僚に上申したが、やはり、前例がないことを理由に難しいとの認識を示されたという。

そこで吉田氏は、部下たちとレーダー上に架空の「識別不明機」を設定すれば、対領空侵犯措置を建前としてF4を飛ばせるのではないか、とも考えた。もちろん規則違反で、これまでしたこともない超法規的措置だ。

「後で怒られるだろうが、そんなことを考えている場合じゃない」

しかし、結局はそこまですることはできなかった。そうこうしているうちに、事故機の航跡を監視していた部下の叫び声が、室内に響き渡った。

「コンタクト、ロスト!」

午後6時57分、事故機の機影がレーダーから消えた瞬間だった。室内は一瞬静まりかえり、部下たちが救いを求めるように彼の方を向いたという。

以上記事からの転載。

私見ではあるが、123便はスコーク77から墜落まで約32分間も飛行して、その間ずっと緊急事態であった。実際には爆発音から遅くても15分後にはF4が123便を追尾していたと思う。というか国民の命を守るために発進していなければならない。

[1985年、上野村小中学生の文集「小さな目は見た」127Pより
 「大きい飛行機と小さい飛行機が追いかけっこしてた」
 「真っ赤な飛行機が飛んでいた」

スクランブル発進についても記録しておく。


F-4ファントム戦闘機の最高速度は約2,485km/h。 百里基地から富士山の真上まで最短でおおよそ180km。 スクランブルの発令から発進まで5分(発令から5分以内にだが通常は約3分で離陸する事が要求される)。 最高速まで発進から数分で、そこから富士山まで4分だ。 早ければ発令から最短で10分だ。

 

日航123便の墜落現場周辺の俯瞰図に「別冊​航空機事故調査報告書調査報告書」P129を重ねてみた。

報告書は圧力隔壁破損による事故原因の難解な計算式が多い。

しかし、報告書は分厚いが肝心の情報が希薄。

報告書の飛行ルートは手書きで正確性に乏しい。

縦横の比率や方位も若干ずらして、現場周辺の目印にぶどう峠、三国山墜落現場の3点を合わせてみた。

三国山が群馬、長野、埼玉の県境である。

多くの長野県民の目撃情報を無視した飛行ルートだ。

もうひとつの注目点。図中の✗印を確実なDFDFのデータ位置だとすると墜落地点上空で半径約1.43kmでの右旋回となる。正常に垂直尾翼が機能して747型の最小半径は通常2.5kmである。(螺旋をえがいて降下すれば別)

飛行機が旋回する時に描く円の大きさはどれぐらい? 参考サイトから転載

大体飛行機の速度は地面に対して190kt (98 m/s)ほどでした。

通常、旅客機が旋回をする時は、バンク角は15°からせいぜい20°ほどと言ったところです。

これを踏まえて先ほどの計算式に当てはめてみると、

旋回半径r = (98×98) ÷ (9.8×tan15°) = 3650m 

飛行機の旋回半径はどんなに小さくても1,500m~2,000mぐらいは必要

計算式からもわかりますが、飛行機の旋回半径の基本は速度とバンク角で決まりますが、747型の場合、重力は2.5G、バンク角は最大65度なので戦闘機やグライダーのような訳にはいきません。

ChatGPT先生 747型ジャンボ機(Boeing 747)の通常の旋回半径能力は、一般的に約3,000フィートから4,000フィート(約900メートルから1,200メートル)程度です。

ますますわからなくなりました。

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