薪ストーブの地震対策で世間に、ろくな解答がないのに驚く。 答えは簡単。脚を床に固定することだ。 薪ストーブは欧米の地震の少ない地域の文化で、床に固定しない、出来ない構造が多いです。 重心が低いものを選びましょうとか、煙突を薪ストーブに近いところで固定しましょうとか、まともな解答がない。
あの、超有名な薪ストーブ、アン◯◯◯さえ脚にレベルボルトはあるが、固定を前提としていない。
炉台はレンガはアンカーが難しいし、タイルや鋼板は滑りやすいので動く可能性が高いです。
実は今回の能登半島地震でお客様の薪ストーブが1m程、床を移動しました。
本体の販売だけで、薪ストーブの運搬、搬入、設置、煙突の取り付けもお客さご自身が手配いたしました。
お客様には基本的は煙突の施工だけでお伝えして、後に煙突施工の不具合があり、風圧帯のアドバイスした経緯があります。去年の5月の大地震(震度6強の地域)のときも心配になりお電話をいたしましたが、問題はないとのことでした。
しかし、今回も震度6強でしたが薪ストーブは移動したのです。私が施工する場合は必ずアンカーで固定します。責任施工でないかもしれませんが、何度もお伝えしとおくべきだったと今は反省しておりません。
今回は火災には至りませんでしたが、煙突がズレて火災などあってはならないのです。ご自宅は住めるか住めないか微妙な状況のようです。
直接的な薪ストーブの規制はありませんが、煙突や内装制限があります。
煙突を可燃物から15cm以上離すのは合理的だと思いますが、内装制限に関しては?と思うことがあります。薪ストーブの表面温度ではなく表面積で算出されるからです。火力をあげない薪ストーブもガンガンと焚く薪ストーブも表面積が同じなら、同じ内装制限なのです。
建築は基礎に緊結との決まりがありますが、薪ストーブはありません。元々、何度もいうが、地震の少ない欧米の文化ですから、床に固定などの観念がないのだと思います。 そもそも、固定できる仕組みになっていないものも多いです。固定の義務化、または補助金を出すときの条件にしたらどうでしょうか?
鋳物薪ストーブの多くはボルトで本体に脚が後付です。また、鋳物は鋼鉄と違って破断しやすいです(鋼鉄は曲がりやす)。私の鋼鉄の薪ストーブの脚が地震で曲がるなど考えられませんが、鋳物の脚は折れた事例があるようです。ご注意ください。
はっきり言って床への固定は必須です。それはなぜか?
大地震でも重心が高い薪ストーブは転倒の可能性がありますが、普通は転倒しません。転倒するときは家屋も倒壊しているでしょう。
一番の心配は薪ストーブが移動して煙突もずれて、高温の排気が室内で開放されることです。
これは火災の原因にもなります。ところが、薪ストーブ業界も行政も関心は低いようです。
昨今、薪ストーブ用のダンパーを備えた免震装置があるようですが、施工まで考えると10万円超かもしれません。これならアンカーで止める必要もないく?、鋳物の脚でも大丈夫だと思います。免震装置を取り付けたら煙突もフレキスシブルする必要もあるでしょう。
私的、更に10万円超の金額アップはないです。床に固定するのは私の場合は基本工事ですし、簡単な施工です。